nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板の使い方ガイド
このガイドでは、nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板の使い方について解説します。プリコンパイルファームウェアサンプルの書き込み手順やサンプルプログラムのビルド手順を解説します。
※注意※
この記事は参考情報の提供を目的としており、正式なドキュメントやマニュアルに基づく正確な情報を提供するものではありません。正確な情報や最新のアップデートについては、Nordic Semiconductorの公式ドキュメントを確認してください。
必要なもの
- nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板
- USB-Cケーブル
- 開発用パソコン
- この記事ではWindowsを想定して執筆しています。
必要なソフトウェアのインストール
nRF Connect for Desktopをダウンロードしインストールしてください。インストールが終わったらnRF Connect for Desktopを起動しProgrammer
とToolchain Manager
をインストールしてください。
プリコンパイルファームウェアサンプルの書き込み手順
nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板はMCUboot
ブートローダとblinky
(LED点滅サンプル)が書き込まれています。ここではプリコンパイルファームウェアサンプルをUSBまたはJ-Linkで書き込む手順を解説します。下記リンクからプリコンパイルファームウェアサンプルをダウンロードしてください。
ssci-mdbt53-dev-board-precompiled-samples-2023-06-28.zip
USB
- nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板の
SW1
を押したまま、USB-Cケーブルでパソコンに接続します。mcuboot SSCI MDBT53 Dev Board
として認識されます。 - nRF Connect for DesktopからProgrammerを起動します。
-
SELECT DEVICE
をクリックしmcuboot SSCI...
を選択します。
-
Add file
をクリックしてBrowse...
でプリコンパイルファームウェアサンプルの中からzip
ファイルを選択します。 -
Write
をクリックしMCUBoot DFU画面のWrite
をクリックすると書き込みが開始されます。
- しばらくすると書き込みが完了し自動的にリセットします。リセット後、書き込んだサンプルが動作をはじめます。
J-Link
J-LinkまたはnRF5340DKを用意してください。nRF5340DKはJ-Linkデバッガ搭載されていて外部ターゲットのデバッグ・書き込みができます。
- nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板とJ-LinkをSWD 10pin 1.27mmピッチケーブルで接続します。
- nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板とパソコンをUSB-Cケーブルで接続します。
- nRF Connect for DesktopからProgrammerを起動します。
-
SELECT DEVICE
をクリックしJ-Link
を選択します。 -
Add file
をクリックしてBrowse...
でプリコンパイルファームウェアサンプルの中からhex
ディレクトリ以下のhex
ファイルを選択します。 -
Erase&Write
をクリックすると書き込みが開始されます。 - しばらくすると書き込みが完了し自動的にリセットします。リセット後、書き込んだサンプルが動作をはじめます。
サンプルプログラムのビルド手順
SDKのインストールとVSCodeの設定
-
nRF Connect for DesktopからToolchain Managerを起動し
nRF Connect SDK v2.4.0
をインストールします。 -
nRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板のボード定義ファイルを下記リンクからダウンロードします。
ssci_mdbt53_dev_board.zip -
Toolchain Managerのプルダウンメニューから
Open SDK directory
を選択します。 -
ボード定義ファイルを解凍したら
boards
ディレクトリをSDKディレクトリに移動し次のように配置します。
v2.4.0\boards\arm\ssci_mdbt53_dev_board
-
ssci_mdbt53_dev_board_cpuapp.conf
ファイルを次のディレクトリに移動し次のように配置します。
v2.4.0\bootloader\mcuboot\boot\zephyr\boards\ssci_mdbt53_dev_board_cpuapp.conf
- Toolchain Managerから
Open VS Code
をクリックします。 - VS Codeの拡張機能をインストールします。
- メニューから
ファイル
→ユーザ設定
→設定
を選択します。 - 拡張機能の
nRF Connect
→Board Roots
にSDKディレクトリのパスを入力して保存します。
VSCodeでblinkyのビルド
- Toolchain Managerから
Open VS Code
をクリックします。 -
Open an existing application
をクリックしblinky
を開きます。
v2.4.0\zephyr\samples\basic\blinky
-
Add Build Configuration
をクリックします。
-
Custom boards
をチェックしてssci_mdbt53_dev_board_cpuapp
を選択します。
-
Build Configuration
をクリックするとコンフィグレーションが行われ最初のビルドが行われます。少し時間がかかります。 - 2回目以降ビルドするには
ACTIONS
→Build
をクリックします。 - J-Linkで書き込む場合、
ACTIONS
→Flash
をクリックします。 - USBで書き込む場合、下記ディレクトリの
dfu_application.zip
をProgrammerを使って書き込みます。
v2.4.0\zephyr\samples\basic\blinky\build\zephyr\dfu_application.zip
参考
Getting started with Thingy:53
Developing with Thingy:53
nRF Connect for VS Code - Get started